「棟の線が波打っている」と言われたら:瓦屋根と漆喰

ずれて破損した棟瓦のクローズアップ

FIELD REPORT — 瓦・漆喰

「お隣から、棟(むね)の線が波打っていると言われた」。瓦屋根のお住まいでは、こうしたご相談をいただくことがあります。瓦そのものは何十年ももつ材料ですが、棟を積んでいる土や漆喰は、風雨を受けて少しずつ痩せていきます。今日は、棟のゆがみをどう見て、どう積み直すのかをご紹介します。

目次

見るのは瓦そのものではなく、瓦を支えている土台

何段も積まれたのし瓦のあいだで、葺き土と漆喰が痩せている棟
のし瓦のあいだの葺き土と漆喰。ここが痩せると、瓦そのものが割れていなくても棟が動きはじめます。

棟がゆがんで見えるとき、原因は瓦の割れそのものよりも、瓦を支えている葺き土(ふきつち)や漆喰が痩せて、瓦の座りが崩れていることのほうが多くあります。表面に見えている瓦だけを差し替えても、土台が痩せたままではまた同じ場所が動きます。点検では棟の一部をめくって、中の土がどれくらい残っているかまで確かめます。

状態の良い瓦は、洗って積み直しに使います

棟を一度ばらすと聞くと大掛かりに感じられるかもしれませんが、瓦そのものが割れていなければ、洗って積み直しにそのまま再利用できます。全面葺き替えありきではなく、活かせるものは活かす。そのぶん費用も抑えられますし、長く使われてきた瓦の風合いをそのまま残せます。

和瓦の大棟・くだり棟と鬼瓦を間近で見た様子
状態の良い瓦は洗って再利用し、のし瓦を一段ずつ積み直していきます。

仕上げは、雨に強いなんばん漆喰で

積み直しの仕上げには、防水性の高いなんばん漆喰を使います。従来の白漆喰にくらべて雨に強く、飛散しにくい強固な棟に整えられるのが特長です。鬼瓦や大棟・くだり棟のラインを丁寧に通してやると、古くからのお住まいの佇まいはそのままに、台風のあとも安心してお過ごしいただける屋根になります。

鬼瓦から大棟・くだり棟へラインが通った和瓦屋根
なんばん漆喰で仕上げた棟。鬼瓦から大棟・くだり棟へ、ラインがまっすぐ通っています。

地上からでも分かる、三つのサイン

屋根に上がらなくても、地上から確認できるサインがあります。ひとつは棟のライン。まっすぐ通っているはずの線が波打っていないか、少し離れた場所から見てみてください。ふたつめは漆喰。白い部分が粉をふいていたり、欠けて落ちていたら痩せてきた合図です。みっつめは雨のあとの軒下。土のような汚れが流れていれば、棟の中の葺き土が流出しはじめている可能性があります。

ひとつでも当てはまるようでしたら、無理にご自身で屋根に上がらず、まずは点検でご相談ください。あまね屋根工房では、点検のときに撮影した写真をそのままお見せしながら、いま直すべき場所としばらく様子を見てよい場所を分けてご説明しています。

この記事のポイント

  • 棟のゆがみの原因は瓦の割れよりも、瓦を支える葺き土・漆喰の痩せにあることが多い
  • 割れていない瓦は洗って積み直しに再利用できる。全面葺き替えありきにはしない
  • 仕上げは雨に強いなんばん漆喰で、飛散しにくい強固な棟に整える
  • 棟のライン・漆喰の粉ふきや欠け・雨のあとの軒下の土汚れは、地上からでも分かるサイン
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※ 本サイトはデモサイトのため、記事中の作業内容は一般的な工事の流れをご紹介するものです。実際の工法・費用は屋根の状態により異なります。詳しくは無料点検でご相談ください。

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この記事を書いた人

栃木・宇都宮を拠点に、雨漏り・屋根修理ひとすじ。2004年の創業から、雨漏り診断士と建築板金職人12名の体制で、最短対応の現場を走っています。現場で実際に見て直したことを、現場レポートとして綴っています。(デモサイト)

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